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ホーム > 顧客満足度調査 > 顧客満足度調査のセオリー 5.分析手法

顧客満足度調査のセオリー 5.分析手法


0.顧客満足

1.調査目的
2.競合比較
3.調査設計
4.質問体系
5.分析手法
6.改善活動


分析手法と質問体系は表裏一体




相関係数を使わないでほしい?



顧客満足度調査の分析手法といえば、最もポピュラーなのは、

重要度×満足度のCSポートフォリオ分析、と言われるものではないだろうか。

横軸(x軸)に重要度を、縦軸(y軸)に満足度をとって、顧客満足度の評価項目を座標軸の中に分布させたものである。





横軸(x軸)の重要度、縦軸(y軸)の満足度との関係によって、基本的に座標軸は4つの象限に分けられる。

-右上の象限<強みエリア>は、重要度が高く、満足度も高い
-右下の象限<弱みエリア>は、重要度が高いのに、満足度は低い
-左上の象限は、重要度は低いが、満足度は高い
-左下の象限は、重要度も低く、満足度も低い

したがって、右下の象限<弱みエリア>が最も改善プライオリティ(優先順位)が高い、というわけだ。


問題は、ではこの重要度をいかにして算出するのか、ということだ

一般には、<相関係数>というものを用いる。総合足度という評価項目を1問設け、その総合満足度と、それ以外の様々な満足度評価項目との相関性を算出したものだ。相関係数が大きい項目ほど、総合満足度との相関が大きいわけだから、重要度が高い、というわけだ。


実は最近、弊社のクライアント企業から、顧客満足度調査の分析において、この相関係数を使わないで欲しいという要望が相次いでいる

理由は、「社員がよく理解できないから」ということである。

弊社のクライアント企業のほとんどは、日本を代表する企業と言ってもよく、社員の多くは優秀な大学を出ているものと思われる。それでも相関係数というのは、多くの社員がよく理解できないというのである。

たしかに、調査報告会の場で、

・そ重要度(=相関係数)というのはどこから出てきたのでしょうか?
・その相関係数というものについて、簡単に説明して下さい

といった質問は少なくなく、弊社でも、いかにわかりやすく説明するか、苦労している。数式など使ったら、それこそ、その場の全員が凍りつくからだ。、


では、相関係数を使わずに、代わりに、重要度をいかにして算出するのか?

簡単な話で、評価項目を選択肢にして、「この中から、特に改善を望むことを選んでください」と質問するのである。その回答をパーセンテージの高い順に並べれば、それがそのまま改善の優先順位というわけだ。

たとえば、「デザイン」を選んだ人が50%で、「価格と性能のバランス」を選んだ人が60%でれば、「価格と性能のバランス」のほうが改善のプライオリティは高い、ということになる。

こうすれば、もはや誰も、「その重要度というのはどこから出てきたのでしょうか?」「その重要度について、簡単に説明して下さい」などとは質問しなくなる。


分析手法において、最も大事なことは、誰もが理解できる分析手法を用いることである。

なぜなら、理解できなければ、誰もその調査結果に納得しないからであり、納得しなければ、誰も改善のために動かないからだ。

相関係数なるものをどこからか持ち出されてきて、だからこれが重要なのだと言われても、「そうか、ならばそれを改善するために一生懸命にがんばろう!」とは、なかなか素直に思えないのではないだろか?

それよりも、顧客の80%がこれを改善して欲しいと言っているから、これが一番重要なのだと言われるほうが、「そうか、ならばそれを改善するために一生懸命にがんばろう!」と素直に思えるだろう。


はっきり言えば、相関係数というのは、数ある統計学的な分析手法の中でも、最も初歩的なものの一つである。
顧客満足度調査の分析手法としては、他にも、「偏差値」、「因子分析」、「重回帰分析」……などなど、いろいろある。
だが、そうした分析手法に幻惑される前に、それを理解できる社員はどれだけいるのか? ということをまず考えていただきたい。


クロス集計こそ分析手法の神髄



さて、難解な分析手法を使わないなら、どういう分析手法を使うのかとえば、クロス集計だ。

ああクロス集計か、と拍子抜けされる前に、そもそも分析手法というのは、なんのためにあるのかを考えてみよう。

顧客満足度調査における分析手法とは、

  • 顧客が不満に思っていることは何か? を明確にする
  • その不満の要因は何か(=どうすれば改善できるのか)? を明確にする

ということのためにあるはずだ。

しかし、これまで述べてきたように、「顧客が不満に思っていることは何か?」はわかっても、「その不満の要因は何か(=どうすれば改善できるのか)?」については、調査の素人や下手な調査会社ではなかなかわからないのである。

「偏差値」だの、「因子分析」だの、「重回帰分析」だのと、難解な分析手法を屈指してみても、「その不満の要因は何か(=どうすれば改善できるのか)?」ということについては、まったくなんの役にも立たないと断言できる(もし役に立つのなら、弊社でも率先して使っている)。

唯一、役に立つ手法は、質問項目を作成する段階で、評価項目(5段階評価や4段階評価の質問項目)について、その評価が低い場合の要因と考えられる仮説をいくつも立てて、それを実態項目という観点から質問することである。
※詳細については、「5.質問体系」をご参照下さい。

要するに、顧客満足度調査の質問体系は、

  • 評価項目 = 顧客が不満に思っていることは何か?
  • 実態項目 = その不満の要因は何か(=どうすれば改善できるのか)?

から成り立っていて、実態項目(評価項目不満要因の仮説)こそが本当は重要なのである。

したがって、顧客満足度調査の分析手法の本質は、まさに、

  • 評価項目と実態項目のクロス集計分析

ということができる。


評価項目と実態項目のクロス集計分析について、まず簡単な例を挙げてみよう。


デザインに関する不満の例

たとえばある商品に関して、デザインの顧客満足度が低いのだが、デザインの不満の要因は何か(どうすれば改善できるのか)? についてはわからないという場合だ。

この場合、まず「デザイン」に関する満足度を質問した上で、デザインの改善要望について質問する。
以下は、Q1がザインの評価項目、Q2が実態項目(デザインの不満要因の仮説)というわけだ。

ほとんどの顧客満足度調査では、Q1ばかりを質問して、Q2はまったく質問していない。だから、デザインが不満と言われても、「色」が悪いのか、「大きさ・サイズ」が悪いのか、「質感・材質」が悪いのか、それではまったくわからない、ということになるのだ。


Q1.デザインについて、評価を教えて下さい

   1. 非常に満足
   2. 満足
   3. 普通
   4. 不満
   5. 非常に不満

Q2.デザインについて、改善を望むことをいくつでもお選び下さい。

   1 .色
  2. 大きさ・サイズ
   3. 重さ
   4. 持ち運びやすさ
   5. 質感・材質
   6. 外観
   7. その他(     )
   8. 改善を望むことは特にない

Q1の評価項目と、Q2の実態項目をクロス集計すれば、「4.不満」の人や「5.非常に不満」の人は、特にどういう改善を望んでいるのかがわかる。


コールセンター(お客様電話窓口)の電話口での待ち時間の例

もす少し高度なテクニックでは、実態項目の選択肢を、数値化することによって、顧客満足向上のための数値目標を算出することもできる。

以下は、質問Aが電話口での待ち時間の評価項目、質問Bが実態項目(電話口での待ち時間)となる。


質問A.「電話が繋がってからオペレーターが出るまでの待ち時間」について、評価を教えて下さい。

   1. 非常に満足
   2. 満足
   3. 普通
   4. 不満
   5. 非常に不満


質問B.電話が繋がってからオペレーターが出るまで、電話口で何分くらい待ちましたか?

   1. 0秒
   2 .30秒
   3. 1分
   4. 3分
   5. 5分
   6. 10分(以上)


上記の質問Aと質問Bをクロス集計すれば、電話口での待ち時間で、「満足」と回答した人と、「不満」と回答した人の電話口での平均待ち時間(体感時間)が算出できる。

それが、以下の表だ。ここから、次の数値目標が決定される。

★電話の繋がりやすさの満足度を上げるためには、
57秒以内に必ず電話口に出る
★電話口で
93秒以上待たせては絶対いけない

電話口での待ち時間 電話口での待ち時間
「非常に満足」と回答した人 平均  18秒
「満足」と回答した人 平均  57秒
「普通」と回答した人 平均  66秒
「不満」と回答した人 平均  93秒
「非常に不満」と回答した人 平均 108秒


オペレーターが出るまでの待ち時間は、短いほうが良いのは言うまでもない。しかし、そのためには、電話回線の数とオペレーターの数を大幅に増やすしかなく、大きな投資が求められる。

この場合、単に電話口での待ち時間を改善することが重要、という結論は誰でも出せるが、現実的ではない。

何秒以内までならぎりぎりセーフなのか、顧客の許容範囲を見極め、効率投資をすることこそ重要であり、顧客満足度調査はそうした分析にも効果を発揮する。


上記のコールセンターの電話の繋がりやすさの例は、たとえば、

・(顧客満足度から見た最適な)、バッテリーの駆動時間の算出
・(顧客満足度から見た最適な)、営業マンの訪問頻度の算出
・(顧客満足度から見た最適な)、机の広さ(タテ×ヨコ)の算出

といったように、さまざまなことに応用できる。

たかがクロス集計とあなどるなかれ、
顧客満足度調査の分析手法の神髄は、評価項目と実態項目のクロス集計分析にこそある

むろん、
そのためには、評価項目と、その評価の要因仮説としての実態項目が考え抜かれ、計算され尽くしていなくてはならない、ということである。

それができるかどうかによって、客満足度調査の成否が決まる。顧客満足度調査に関する正しい知識と豊富な経験を持った専門家が求められるゆえんである。



弊社KFSは、数多くの顧客満足度調査の実践を通じて、確固たるセオリーを有している。実際の分析レポートなどを持参して、ご説明することも可能である。

また、複数の調査会社によるコンペティション参加依頼も歓迎している。その場合は、質問体系からアウトプットイメージに至る非常に充実した調査企画書をご提案するので、それをご覧いただくだけでも十二分に価値があると思う。



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