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ホーム > 顧客満足度調査 > 顧客満足度調査のセオリー 2.競合比較

顧客満足度調査のセオリー 2.競合比較


0.顧客満足

1.調査目的
2.競合比較
3.調査設計
4.質問体系
5.分析手法
6.改善活動


顧客満足度調査は競合比較してこそ




自己満足度調査に陥っていないか?



顧客満足度調査は、競合他社との比較による自社の強み・弱みの把握が基本だ。したがって、自社の顧客の満足度だけをいくら調査・測定していても、残念ながらあまり意味はない。意味がないどころか、場合によっては、有害ですらある、ということができる。

というのは、自社客だけを調査していたのでは、本当の課題を見誤る可能性が大きいからだ。

たとえば、ある商品について、自社客だけを対象に調査したところ、「デザイン」や「性能」についての顧客満足度は高いのだが、「使いやすさ」についての顧客満足度は低い結果が出たとしよう。そすると、単純に「使いやすさ」をもっと改善して、顧客満足度を上げなくてはならない、という結論にならざるを得ない。

自社商品の
顧客満足度
デザイン 75点
性能 72点
使いやすさ 65点 ×


ところが、そのある商品について、自社客と他社客の両方を対象に調査をしたところ、「デザイン」や「使いやすさ」については他社よりも顧客満足度は高いのだが、「性能」については他社よりも顧客満足度は低い結果が出たとしよう。その場合、どのように考えたら良いのか?

自社商品の
顧客満足度
他社商品の
顧客満足度
デザイン 75点 71点
性能 72点 × 77点
使いやすさ 65点 62点


競合対策を図る上では、本来は、他社商品との相対評価で劣っている「性能」をまず改善すべきなのに、自社客だけを対象にして自社商品の顧客満足度調査ばかりを行っていると、「使いやすさ」をまず改善しよう、などという結論を出してしまう可能性が非常に大きいわけだ。

これは、同一商品、同一サービスであれば、自社客も他社客も、同じようなことに満足していて、同じようなことに不満を持っている可能性が大きいことに起因する。それだけ商品・サービスの差別化の難しい時代ということである。

したがって、何か欠点を補って余りある突出した強みがあるならともかく、商品の差別化が難しい時代は、負けない戦い方、相手に付け入るスキを与えない戦い方が、まず重要である。


また、自社の顧客の満足度だけを調査・測定していては、たとえば次のような誤りを犯してしまう恐れもある。

自社の顧客の80%もが満足といっているのだから、安心!
自社の顧客満足度は年々上がっているだから、安心!
自社の改善活動は昨年と比べ着実に成果が上がっているから、安心!

こうした「安心!」は、はっきり言っていずれも「根拠のない安心」であり、その裏で本当の危険が見逃されている恐れがあるだけに、かえって始末が悪いといえる。
なぜなら、こうした「根拠のない安心」に浸っている企業の多くは、いずれ次のような疑問に直面するからだ。

なぜ、自社の顧客の80%もが満足と言っているのに、他社の方が売れているのか?
なぜ、自社の顧客満足度は年々上がっているのに、売上は年々落ちているのか?
なぜ、自社の改善活動は昨年と比べ着実に成果が上がっているのに、顧客満足度は一向に上がらないのか?

答えは簡単である。

自社の顧客の80%もが満足と言っている

しかし他社の顧客は90%もが満足と言っている
自社の顧客満足度は年々上がっている

しかし他社の顧客満足度はもっと大幅に年々上がっている
自社の改善活動は昨年と比べ着実に成果が上がっている しかし他社の改善活動は昨年と比べもっと大幅に成果が上がっている


特に問題なのは、自社客の顧客満足度調査だけをしていては、自社客の時系列分析しかできない、という点だ。
顧客満足度に限らず、データは何かと比較してこそはじめて意味を持つものだ。自社客の顧客満足度調査だけしていれば、おのずから自社客の時系列分析ばかりを一所懸命に分析せざるを得ない。

しかし、市場には競合他社がひしめいているわけで、生き馬の目を抜くような競争が日々展開されているのである。少しでも改善の手をゆるめれば、たちまち追い抜かれるのが市場競争だ。停滞は落伍を意味する。
自社だけががんばっているわけではなく、どの企業も皆一生懸命にがんばっている中で、どこが勝つかという競争なのだ。

要するに、この1年間で、他社よりももっとがんばることができたのか、できなかったのか、ということこそ、本来調査・分析すべきことである。
自社客だけの顧客満足度調査は、たとえ昨年よりも顧客満足度が上がったとしても、単なる自己満足にしか過ぎない、ということを肝に銘ずべきだろう。


敵を知り己を知れば、百戦して危うからず、敵を知らずして己を知れば、一勝一負す、敵を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず危うし


競合比較の仕方


さて、顧客満足度調査の上で、競合比較が重要なのは理解しても、では具体的に競合はどこなのか、という方もいるだろう。

一般消費財(自動車、パソコン、食品・飲料、化粧品、etc.)なら、同じ商品カテゴリーにおいて、シェア上位企業を4~5社も選び、各社の強み・弱みを比較分析すればよい。

だが、たとえば人材派遣会社などの場合はどうするのか? 数多くある人材派遣会社の中から、競合を選び出すのは容易ではない。

この場合は、顧客に、「当社以外に一番よく使っている人材派遣会社はどこか?」、「当社とよく比較するような人材派遣会社を1社だけ教えて下さい」と質問して、そことの競合比較をすれば良い。
こうした質問をすれば、自社はどことよく比較されているのか、といったことまでわかる。意外に、思いもかけないところがライバルだった、ということが判するかもしれない。


なぜ、当社の商品を買わなかったのか?



さて、顧客満足度調査において、自社の顧客だけではなく、競合他社の顧客をも対象にして調査・分析することの積極的な意義について述べてみたい。
というのは、競合他社の顧客をも対象にすることによって、顧客満足度調査に、新たな視座が加わるからである。ズバリ!

-「なぜ、当社の商品・サービスを買わなかったのか?」

という視座だ。

自社の商品・サービスを買った顧客の声を聞くことは、必要条件ではあっても、決して十分条件ではない。なぜなら、自社のシェアがたとえば25%であれば、残り75%の顧客の声は入ってこないことになるからだ。
この競合他社の商品・サービスを買った残り75%の客に、「なぜ、当社の商品・サービスを買わなかったのか?」と聞くことは、シェアを伸ばすためには絶対に重要だ。

-自社の商品・サービスのことを、そもそも知らなかったのか?
-購入の最終段階で、あと一押しの「何か」が弱かったのか?
-商品・サービスに魅力がなかったのか?
-販売チャネルや営業体制に問題があるのか?

自社の商品・サービスを実際に買った顧客の声からは、こうしたこと(買わなかった理由)は絶対にわからないのである。


顧客満足度調査の目的によっては、購入前~購入時の顧客接点にフォーカスすることによって、この「なぜ、わが社の商品・サービスを買わなかったのか?」、すなわち購入阻害要因を分析することができる。


ブランドスイッチ析



いくつもの分析手法や切り口が考えられるが、ブランドスイッチ分析(ブランドスイッチ率/ブランドスイッチ要因)について説明してみよう。

ブランドスイッチ分析は、当然のことながら買い替え・買い増し客が対象となる。日本は、ほとんどの商品・サービスが成熟市場といえ、パソコンでも携帯電話でも車でも、初めて買ったという顧客は少数派で、買い替え・買い増し客の動向が中心だ。
顧客満足度の主旨からいっても、顧客満足の向上は顧客の再購入意向を促進させるというふれ込みのはずだから、少ないパイの奪い合いとなっている成熟市場において、他社にブランドスイッチをする(他社に顧客が流出する)という事態は大問題である。

ブランドスイッチを分析するのは簡単で、
・以前使ていたブランドはどこですか?
・今回買ったブランドはどこですか?

という質問をクロス集計すれば良いだけだ。

すると、顧客は4タイプに分類できる。
1.自社固定客:自社から自社へ
2.自社からの流出客:自社から他社
3.他社からの流入客:他社から自社へ
4.他社固定客:他社から他社へ

今回買ったブランド
自社 他社
(A社、B社、C社)
以前使用の
ブランド
自社 1.自社固定客 2.流出客
自社から他社へ
ブランドスイッチ
他社
(A社、B社、C社)
3.流入客 4.他社固定客
他社から自社へ
ブランドスイッチ


分析すべきは、<2.流出客:自社から他社へ>と<3.流入客:他社から自社へ>であり、両タイプの顧客の属性、購入理由などについて分析することによって、ブランドスイッチ理由もわかる。すなわち、
-どんな顧客がどのような理由により、他社へ乗り換えているのか
-どんな顧客がどのような理由により、他社から乗り換えてきているのか

サプル数が十分に大きければ、他社をさらに、A社、B社、C社とセグメントして、

-どんな顧客がどのような理由により、A社へ乗り換えているのか
-どんな顧客がどのような理由により、A社から乗り換えてきているのか

といったことも分析可能だ。



弊社KFSは、数多くの顧客満足度調査の実践を通じて、確固たるセオリーを有している。実際の分析レポートなどを持参して、ご説明することも可能ある。

また、複数の調査会社によるコンペティション参加依頼も歓迎している。その場合は、質問体系からアウトプットイメージに至る非常に充実した調査企画書をご提案するので、それをご覧いただくだけでも十二分に価値があると思う。



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